暗がりのあかり

Tsuda Nao in Blog 2010.06.27

今週は伊勢に続き、大阪へ行っていて留守にしていた。
そこで報告が今日になってしまったが、先週の話。

東京・銀座の資生堂ギャラリーでは19日から
「暗がりのあかり-チェコ写真の現在展-」が開催されている。
暗がりの明かり-チェコ写真の現在展
久し振りにオープニングへ顔を出した。
チェコより来日している作家をはじめ美術関係者、
写真評論家、写真家達が集まっていた。
今回の展覧会に参加している写真家Ivan Pinkava氏(イヴァン・ピンカヴァ)
の作品に惹かれたので声を掛けさせて頂いた。
優しい眼差し。だが物静かな視線の先には、
永い時間を掛けて築き上げてきた信念が見え隠れしていた。
話を聞いていると、今まで人物の作品を多く制作してきた
ようだが、今回は静物を展示しているとのことだ。
まるで荒野に立つ墓石のような怪しげな写真。
じっと眺めてから目を閉じる。
浮かび上がってくる姿なき者、何者かの気配で目を覚ます。
再び目を開いた時、体験したことのない霊気が身体を伝う。

互いに気が合い、話が尽きない。
あらためて会うことにした。

二日後彼らのギャラリートーク前、資生堂のご好意で
写真家で写真研究家でもあるVladimir Birgus氏(ウラジミール・ビルグス)
とIvan Pinkava氏とランチの機会を頂いた。
今までチェコの写真家の仕事はJosef Sudek氏(ヨセフ・スーデック)
の「アトリエの窓から」等の展覧会や写真集をはじめ、
作品には触れる機会があったがこうして作家と直接出会える機会はなかった。
有り難い巡り合わせがゆえに聞きたいことがたくさんあった。
主に話をしたのは、陰影礼賛、東欧の写真家達、
共産主義政権下のチェコでの生活、地方の文化や風習、
写真教育の現場、独立後の生活の変化などについてだ。
チェコ写真とその周辺についての話はまたどこかで話
をする機会に恵まれたら、是非話をしたいと思う。


また資生堂ギャラリーでは、開催中の展示に合わせて
大変貴重な写真集や作家に関する資料も一部閲覧出来るようになっている。
興味のある方はこの機会に足を運んでもらいたい。

ちなみに写真に映っているのはIvan Pinkava氏から頂いた写真集。
FOTO TORSTから出版されている。
ご参考までに。www.torst.cz

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