雪が解ける前に
久し振りの更新となってしまった。
その間ずっと出掛けていた訳でもなかったが、意識は随分と遠くまで出掛けていた。
一月、二月は毎年溜った本の山を崩しに掛かるので実はそれも仕業している。
更に先月はパリの友人が帰国していたこともあり再会した。
(以前ユニットで作品を発表したこともある友で、ここ最近時間を見つけて
HPのアーカイブ等を更新した際にリンクに彼のサイトも載せておいたから、
良かったらのぞいてみて欲しい。名をSUZUKI RYOと言う。
僕らがまた一緒に制作する日々が来るのかは僕らにも分からないけれど、
またいつか忘れた頃にと思っている)
彼は以前建築を学んでいた経験から、写真術へのアプローチが独特で面白い。
作品にはいつも「人はいかにして空間を把握してきたか」といった
原点に通じる主題がどこかに隠されている。
進化した姿でまた会いたい。
ついでと言ってはなんだが、一月に東京都写真美術館へ観に行った
「スナップショット展」に出品していた池田宏彦「negev」は素晴らしい作品だった。
RYO君の友達でもあって、いつだったか一度会ったことがある。
こういう人間が制作を続けてゆける環境を社会が支えることを願う。
同じく出品作家には中村ハルコの作品が展示室に並んでいた。
光と人間の眼が美しく、輝いていた。
写真集「光の音」は幾度ページをめくったことだろう。
いつでも読めるようにリビングの書棚に置いている一冊だ。
会期終了間際にはスイッチ・パブリッシング25周年記念ライブイベントが
恵比寿ザ・ガーデンホールで行われ、知人を通じて入れて頂いた。
その晩は亡き中村ハルコの写真作品がスクリーンに投影される中、
ハナレグミこと永積君の歌声が響き渡り、歌は粒子となって僕らに降り注いだ。
二月に入ってからは原稿書きや新作写真集「Storm Last Night」
のことで取材が続いている。
それから遠くからの郵便が良く届く。
手紙は国籍によって匂いが違う。そこがまたいい。
横浜にも雪が降ってからは、春以降の旅の準備、縄文フィールドワーク、
調べごとなどに時間を費やしている。
冬のうちにと思って最近観た映画も一作紹介しておこう。
「春にして君を想う」、フリドリック・トール・フリドリクソン監督。
舞台はアイスランドだが、昨年旅を続けたアイルランドに重ね
映像美に風景をなぞり辿った。
冬の季節は長いと思っているところもあるが、山の雪が解ける前に
片付けておかねばならないことがまだ幾つかあり、今週も動き回ることになりそうだ。
- 雪の解ける前に 其の二
- トークイベントを終え、空港にて授業!