動物たち

Tsuda Nao in Blog 2010.01.19



全身を温黒調に纏い、角は喉を突きそうな程鋭く伸びる。
「角胡麻」という、北アメリカ南部からメキシコに分布する一年草。
英名で”Devil’s claw”(悪魔の爪)と呼ばれ、若い果実の時には
ピクルスなどにも利用され、薄く淡いピンク色の花を咲かせるらしい。
この果実は数日前に華道家の友人に会った時、手土産に貰って帰ったものだ。
湾曲した鉤状の角は乾燥果実となると、硬く先端が鋭いので危険である。
果実を食べた山羊が内蔵を痛めたり、
ひずめに食い込み歩行困難になった動物達の報告もあるとか。
やがて野生動物たちに恐れられる存在にもなり、悪魔の爪と呼ばれるに至った。
歩き回る足や眼こそは持たないが、
植物が動物の命を奪うとは確かに恐ろしいやつである。
しかしネイティブアメリカンの間では成熟果実から
繊維を採集し、籠を編んでいたとの記録もある。
パイユート族達も編んでいたのだろうか。
旅先でいつか見てみたいものがまた一つ増えた。

話は変わるがお奨めしておきたい展覧会がある。
現在神奈川県立近代美術館 鎌倉館にて、内藤礼
「すべての動物は、世界の内にちょうど水の中に水があるように存在している」展が
開催されている。
内藤礼展覧会
内藤礼展覧会
僕は晴れた日の午前中に訪れた。
内藤礼さんは作品「地上にひとつの場所を」
などで独自のインスタレーション表現を確立していった人。
僕も幾度かお仕事をお手伝いさせて頂いたことがある。
息をひそめ、その繊細さ、清らかさ、尊さに出逢ってもらいたい。
それは静かに、しかし衝撃的に僕らの内にやってくる。
芸術とは本来そのようなものを指すのかもしれない。
またミュージアムショップにはこれまでの素晴らしい
作品集も並べられているので必見である。
会期は24日まで。

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