タルボットのいるクレマチスの丘
静岡県、三島にあるIZU PHOTO MUSEUMにて開催中の
杉本博司「光の自然」展を週末に観に出掛けた。
本展にて展示されているウィリアム・ヘンリー・フォックス・タルボットの
紙ネガより引き伸された杉本プリントは一見の価値ありである。
訪ねた23日はアーティスト・トーク「アートの起源」が開催され
IZU PHOTO MUSEUMは賑わっていた。
二時間に及ぶ充実した講演は自然科学、文化人類学、美術史、
古代演劇、和の室礼、能、建築、写真論などを主題に杉本氏の語りで
輪を描くように我々を翻弄し続け、終始核心に迫るものがあった。
ここに氏の言葉を一つ紹介したい。
「物とは、素形がないと出来上がらない。」
つまり、氏曰く室町時代の能面ですら、モデルとなる人物が存在したという意だ。
帰路、美術館のあるクレマチスの丘では西日が樹々の先端を射していた。
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