3年前よりみなとラボと協働で行ってきた海洋教育プログラムの開発・考案、ワークショップ開催がこの度一冊の書籍『海を見ているたくさんの目/聞こえてきた海』となり、刊行されました。海洋教育やワークショップ、自然との関わりなどに興味のある方々に是非お手に取っていただけると嬉しいです。
(みなとラボHPより) 出版にあたり
みなとラボは、写真家の津田 直氏と協働し、海と人との共生に向きあうための新たな海洋教育のモデルを開発しました。根室市立おちいし義務教育学校と行ったプログラムの様子と成果を収録した書籍を日本財団の助成のもと制作しました。
北海道のオホーツク沿岸から根室沿岸のフィールドワークや、幾度となく対話を重ねた先に目指したのは、かつてオホーツクに暮らしていた人々のまなざしに触れ、海と森のつながりを通じ、海と結ばれてきた関係性を辿り直すことです。そこから「教育」として何が大事になるのかを再考し、この海洋教育プログラムをつくり上げました。
根室市立おちいし義務教育学校5、6年生とともに、夏と冬の2回に渡り行なったプログラムの様子と子どもたちが取り組んだ成果を収録し、他の地域でも取り組めるよう書籍としてまとめました。 (夏のプログラムの様子は、こちらから)
本プログラムの根底にあるのは、自然・海の全体を感じることが、これからの自然・海との共生に向き合っていくときに大事であるという実感です。それは、オホーツク海と太平洋に突き出した半島である根室の自然環境を歩き、森と海を体験し、霧の存在に触れることで得られたものです。
私たちは、自然や海を学ぶときに、それらを言葉で持って部分に分けて学びます。しかし、その学びのあり方では、森や川、海、生物、人間のつながりを実感することが難しくなります。海を含む自然と人間が離れ過ぎてしまい、そのつながりが見えづらくなっている現状において、大事なのは、そのつながり全体を感じられることではないかと考えました。
本書には、この状況を乗り越えていくために、 人類が自然・海とどのような関わりをしてきたのか、その源流にまで遡り、その地点からこれからの自然・海との共生のあり方を探った過程がおさめられています。この書籍が、これからの時代の教育、ひいては未来のため大事なことを見つめるきっかけになればと願っています。ぜひ、お手に取ってお楽しみください。
【書籍概要】 企画・監修・執筆:田口康大(みなとラボ)、津田 直 写真:津田 直、小倉快子、2024年度おちいし義務教育学校5、6年生 編集:小倉快子 授業講師:外山雅大(根室市歴史と自然の資料館) 企画協力:東さおり(写真家アシスタント)、おちいし義務教育学校、根室市教育委員会 デザイン:前田 景、大園早香 印刷:シナノ サイズ:W210mm×H255mm/44ページ 本体:1,650円(税込) ISBN:978-4-9913001-4-1 C0437 発行:みなとラボ出版(2024年3月24日) 助成:日本財団
*ご購入について みなとラボのウェブストアにて販売中です。 みなとラボHP https://3710lab.com/news/8375/
また、書籍をお取り扱いいただける店舗を募集しています。ご興味のある方は、みなとラボウェブサイトのお問い合わせページよりご連絡ください。
「海と人とを学びでつなぐ」をテーマに取り組みを行なっている機関、みなとラボと一緒に北海道のオホーツク沿岸部で行なったフィールドワークのレポートがみなとラボのHPに掲載されています。
みなとラボHP:https://3710lab.com/contents/5881
また、明日から東京・六本木のAXISギャラリーにて始まる「第二回 国際海洋環境デザイン会議」にて、中間報告としてオホーツク沿岸部や根室にて撮影した写真5点の小展示「Starting from Lines Drawn by Nature(引かれた線の上に立つ)」を行います。
みなとラボ…みなとラボは、「海と人とを学びでつなぐ」プラットフォームです。教育学者、科学者、エディター、デザイナーなど多様な専門家たちが、共に新しい学びを描き、深める取り組みを行っています。海と生きるとは何か――答えがひとつではないこの問いに向け、学校、地域、自治体に寄り添い、そして何よりも子どもたちと共に、次の3点を大切にしたプログラムを実施しています。 1. 海の魅力を深める。2. 人の考えを深める。3. 学びのあり方を深める。
六本木、AXISビルにて開催される「第二回 国際海洋環境デザイン会議」に参加します。
一般社団法人3710Lab主催により、「OCEAN BLINDNESS −私たちは海を知らない−」をテーマに会期中、デザイナーによるトークイベント、アーティストによるワークショップが行われます。津田は10月7日(土)に開催のトークイベントに登壇します。
また、エキシビジョンコーナーでは、海洋物、海洋プラスチック、廃棄物などを使った海洋環境デザインのプロダクトや建築などの展示、津田が3710Labと進行中のプロジェクトの中で撮影した写真を一部展示しています。
(3710Lab HPより) OCEAN BLINDNESS ー私たちは海を知らないー
過去に類を見ないほど暑い今年の夏。
国連事務総長のグテーレスは「地球沸騰化」という言葉を用いて、この異常な状態に警鐘を鳴らしました。人類が経験したことのない夏。そこに大きく影響を与えているのが、海です。
海は、私たち生命を生存可能にする存在。豊かな生き物を育み、物流の大きな要となり、エネルギーの宝庫でもある。海は人間の営みそのものです。一方で、海は地球上の最大の未踏の地であり、多くの可能性を秘めながら私たちはそれに気が付いていません。私たちが海をみているとき、それは海のほんの一部なのです。
みなとラボは、大きすぎて見えていない海、見えているようで捉えきれない海について、「OCEAN BLINDNESS」という言葉をテーマに、「デザイン」を通して紐解いていきます。
【概要】 みなとラボと日本財団との共同開催で2023年9月29日 (金)〜10月9日(月・祝)まで、六本木のアクシスギャラリーにて「OCEAN BLINDNESS ー私たちは海を知らないー」をテーマに、「第二回 国際海洋環境デザイン会議」及びエキシビションを開催します。
地球の70%以上を覆う広大な海。あまりにも広く大きな海の存在ゆえ、私たちはその全貌をいまだ捉えることができません。それどころか、高度に都市化する暮らしの中で海とのつながりはさらに遠のいてしまっています。その現状を「OCEAN BLINDNESS ー私たちは海を知らないー」と位置付け、海の可能性や魅力を探求することから深刻化する海洋問題まで、さまざまな論点と視点を「デザイン」の座標を持って向き合うために「第二回 国際海洋環境デザイン会議」及びエキシビションを開催します。
第二回目となる本会議では、OCEAN BLINDNESSを乗り越えるためにデザインができることを探ります。その一つとして、第一回目から参加する深澤直人、倉本仁、we+とともに実践してきた海洋環境デザインワークショップの成果を報告します。また、ドットアーキテクツ+コンタクト・ゴンゾ、本多沙映、COMPANY(Aamu Song & Johan Olin)など新たなクリエイターたちによる海とのつながりを多様な方法で体験するワークショップを実施。会議の終盤には、私たちが知っている海/知らない海について確認し、参加者とともにOCEAN BLINDNESSについて考えを深めていきます。さらに視点を深めるために写真家の津田直を迎え、海と人との関わりの源流を探るフィールドワークの話から、海を「知る」ことについて考えます。
同時開催となるエキシビションでは、海産物、海洋プラスチック、廃棄物、海洋文化など、多様な海の世界を表現する海洋環境デザインのプロダクトや建築の他、海洋環境デザインワークショップで立ち上がった作品を展示。会場構成はwe+が行います。
第二回 国際海洋環境デザイン会議 2nd International Conference on Design for Ocean Environments / エキシビション「OCEAN BLINDNESS ー私たちは海を知らないー」展
開催日:2023年9月29日(金)〜10月9日(月・祝) 時 間:10:00〜20:00(9月29日は16:30〜21:00、最終日10月9日は〜15:00まで) 休館日:無休 会 場:アクシスギャラリー(東京都港区六本木5-17-1 AXISビル4F) 入 場:無料 主 催:3710Lab(みなとラボ) 共 催:日本財団 特別協力:THE DESIGN SCIENCE FOUNDATION 協 力:アクシスギャラリー、アルテック、スカンジナビアン・リビング、博展、ハーマンミラー、武蔵野美術大学
イベント詳細、プログラムの申し込みについては下記サイトよりご覧下さい。 3710Lab HP https://3710lab.com/news/5744/
先週26日に内覧会、27日に初日を迎え、津田 直+原 摩利彦「トライノアシオト−海の波は石となり、丘に眠る」展が太田市美術館・図書館にて無事にスタートしました。
お越しいただいた皆様、ありがとうございました。
2ヶ月の会期中に下記のイベントを行います(津田直と歩く・触れるトーク&ツアーが追加決定しました!)
人数に限りがございますが、ご興味のある方は是非ご参加下さい。
*アーティストトーク
本展のための作品制作やフィールドワークについて、作家が語ります。 講師:津田 直+原 摩利彦 日時:10月8日(土)午後2時~3時30分 会場:3階視聴覚ホール 定員: 40名(事前申込制) 参加料:無料 申込:当館ホームページの申込フォームからお申込ください。 締切:9月13日(火) ※定員を超えるお申込があった場合は抽選とし、開催の2週間前までに当落結果をご連絡します。
申し込みフォームはこちら ※お申し込みされた方は、当館から確認のメールが送信されます。「event_museum@artmuseumlibraryota.jp」が受信できるよう設定をお願いします
*トーク&ツアー 津田直と歩く・触れる−美術館の展示室から資料館の収蔵庫へ
「歴史は外から眺めることよりも、中に立つことからはじまっていくのではないでしょうか」と語る津田直さん。 当日は作家と共に美術館内の会場を歩き、制作時のお話などをお聞きします。またトーク後には新田荘歴史資料館の収蔵庫を特別観覧します。
講師:津田 直(写真家) 日時:9月18日(日)午後1時30分〜4時30分 会場:太田市美術館・図書館 展覧会場、新田荘歴史資料館 収蔵庫 定員: 9名(事前申込制) 参加料:無料(要観覧券) 申込:当館ホームページの申込フォームからお申込ください。 締切:9月10日(土) 対象:小学生以上(低学年は保護者1名要同伴)
※定員を超えるお申込があった場合は抽選とし、9/13(火)までに当落結果をご連絡します。 ※当館と新田荘歴史資料館の往復は、当館が手配する車で参加者全員で移動します。 ※詳細については、参加者が決定した後に改めてご連絡します。 ※一度のお申込で1名様まで。ただし、小学低学年は保護者1名要同伴。
申し込みフォームはこちら ※お申し込みされた方は、当館から確認のメールが送信されます。「event_museum@artmuseumlibraryota.jp」が受信できるよう設定をお願いします