子供たちの今、今日見ておくべきこと
先週も走り抜けるように時間が過ぎていった。
原稿書きや打合せなどが重なる季節は仕方のないことだ。
でも世の中では、大事なニュースが流れていたので見逃すわけにはいかない。
とくに東日本大震災関連では、19日の新聞に震災遺児支援の記事が目に留まった。
読まれた方もいると思うが、建築家・安藤忠雄氏らが「桃・柿育英会」を設立した。
震災遺児を経済支援する基金である。
安藤氏は阪神淡路大震災時にも同名の基金を設立し活動を行った。
桃栗3年、柿8年ということに習い、今度も末永い支援体制を目指すことになるだろう。
文部科学省によれば震災で両親を亡くした子供は岩手、宮城、福島の三県で142人と
言われている。
片親を失った子供も数を加えれば、その数は膨大だ。
親を失った子供にも未来が明るいことを願い応援してゆきたい。
他にも子供達に関するものでは、宮城県の話だったが、津波の恐怖を
味わった子供が最近になり津波の絵を描くケースが増えていたり、
ブロックなどの玩具で遊ぶ子供の遊びでも「津波が来るぞー」といって
ブロックを倒したりといった津波遊びも目立つと聞く。
又、ある女の子の絵によると、最近になりずっと描き続けてきた津波の絵が
前までは真っ黒だったのに、この頃は色が塗られるようになったとの報告もある。
子供達はこうした行為を通し、自ら経験した惨劇のはけ口を「今」探している
のかもしれない。
だから大人は津波遊びをしているからといって、止めるのではなく
むしろ見守ってゆく必要があるように思う。
精神のバランスを失いかけた子供の中で、あたらしい日々が始まろうとしているのだ 。
被災地では依然先の見えない作業もまだまだ続くわけだが、
一方で確実に変化しつつある、ささやかな兆しにもしっかりと目を向けてゆきたい。
週末には海辺で開かれたライブイベント「GREEN ROOM FESTIVAL」に
友人が出演するというので横浜赤煉瓦へ出掛けた。
久しぶりに身体も和らぎ、心地よい午後に風の吹き抜ける海辺で
音楽を聴きながら過ごした。
翌日は新横浜にある観音寺にてチベット密教について学ぶための勉強会に参加した。
主催者や参加者は主に僧侶を中心とする集まりだが、縁あって参加させて
もらうこととなった。
かなり濃密な内容で会は進むのだが、やはり内部からチベットに関わる人々に
とっての宗教観というのは、学門とは違い日々の生活に密接に関わっているため、
チベット仏教の現在を知るための良い機会となった。
今後もこうした寺子屋としての集いには通い続けたいと思っている。
今週に入ってからは今後の制作についての下準備をしている。
いつもそうだが新作に入る前段階が最も時間を費やすことが多く忙しい。
未知の領域を出入りしたいという思いが膨らみ、常々好奇心が湧くものだから尚更だ。
今年も身体だけでなく、意識も随分と旅が長くなりそうだ。
最近興味の中心となりつつある考古学についても、気になることがあまりに
多いため、昨日はついに考古学の学会発表に立ち寄った。
午後には縄文文化の権威である小林達雄氏の講演が行われたのだが、
「劇場空間としての縄文記念物」という主題で古代を巡り、
興味深い話をたくさん聞くことができた。
昨年からフィールドワークを重ねている縄文ランドスケープにも新たな頁が刻まれた。
- 日本家屋と図書館にて授業
- 追加報告