ニューカラーの神様

Tsuda Nao in Blog 2010.06.08
今日はお薦めの展覧会を紹介したい。
先週金曜日、久し振りに原美術館のオープニングへ出掛けた。
開催されている展覧会は、「ウィリアム・エグルストン:パリ-京都」。
ウィリアム・エグルストン:パリ-京都
写真に携わるものならば一度は彼の名を聞いたことがあるだろう。
だがもしもこの場で彼の名を知ったのならば、
是非この展覧会へ足を運んでもらいたい。
この世界の入口は、オリジナルプリントにこそあるのだ。

彼のことを少し紹介しておこう。
その神話は1976年ニューヨーク近代美術館にて開かれた個展にはじまる。
仕掛人はキュレーターのジョン・シャーカフスキーだ。
当時八十点あまりの作品が展示され、同時に
「ウィリアム・エグルストンガイド」が刊行された。
これはモノクロ絶対主義だったかつての写真界にとって革命的な出来事であった。
それはアートにおいて、ネガカラーフィルムを使用し、プリントする
という新たな領域を目指した初めての写真だったと言えるだろう。
作品はアメリカ南部、メンフィス近郊の光景をライカで撮影したものだった。
その後、彼に続きニューカラーと呼ばれる写真家達(ステファン・シュア、
リチャード・ミズラック等)がぞくぞくと登場した訳だ。
そして現在、原美術館にて開催されている展覧会では、カルティエ現代美術財団
から依頼を受けて制作された近作「パリ」、「京都」を中心に、初期の出世作
「ウィリアム・エグルストンガイド」も一部も展示されている。

立ち寄った4日のオープニングではホンマタカシさん、川内倫子さんなど
多くの写真家達が駆けつけていた。
(写真、エグルストンと話をしているのは繰上和美氏)


庭で行われたオープニングにて主催者などの代表挨拶が続く中、
いよいよマイクを受けたエグルストンは、
「私が話さなくてはならないこと、そのすべては壁に掛かっている。」
とだけ述べた。


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