細江英公と土方巽

Tsuda Nao in Blog 2010.05.30

27日、慶応義塾大学・来往舎にて開催されたシンポジウム
「細江英公/写真と舞踏を語る」を聴きに行った。
新入生歓迎へ向けて大学が企画している講演だが、
一般公開されており近所だということもあり立ち寄った。


講演会場には大きなスクリーンが設置されており、細江氏はいつものように
パワフルで年齢を感じさせないご様子で素敵な笑顔を浮かべていた。

話の中心は舞踏家・土方巽についてだった。
(これは現在慶応義塾大学が力を入れている慶応義塾大学アートセンターの
協力もあり実現した講演のようで、今後土方巽に関するアーカイブを
本格的に進めてゆくようだ。ということは、次世代の舞踏研究家は必ず
ここを辿ることになるはずである。)

ご存知だとは思うが、細江氏の代表作における土方巽の存在は無くてはならない
ものとなっている。それはもはや絶対的な関係と呼んでもいいだろう。
講演では、土方巽を被写体とした作品「鎌鼬」、三島由紀夫を被写体とした作品
「薔薇刑」(土方も登場している)撮影時のエピソードを熱く語り、
1960年に細江氏が監督した貴重な映像作品「へそと原爆」が上映された。
これは当時、寺山修司が監修し、日頃映画関係ではなく活動している
写真家や小説家等に映画を撮らせ、発表したものらしい。
細江氏はそれらをJAZZ映画と呼んだ。
というのは、各作品に共通していることは唯一つ、音楽がJAZZであることだった。
ちなみに細江氏監督の音楽には前田憲男をはじめ日野皓正らが名を連ねていた。

細江氏、土方氏に興味ある方には、是非書店などで写真集を見てもらいたいが、
その他で一冊読みやすい書籍を紹介しておきたい。

「球体写真二元論 私の写真哲学」
発行所:窓社
著者:細江英公

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