Duke Kahanamoku

Tsuda Nao in Blog 2009.04.26

Duke Kahanamoku
時々、海を見たくなる。
日々のことをすべて目前の波に託して
このまま進んでみてはどうかと思うことがある。

『SMOKE LINE』の制作で北アフリカでの旅を終え帰って来たとき、
しばらくして沙漠で過ごした時間を思い出そうとしたけれど、
どうしても出来ないことがあった。そんな時、海へと出掛けた。夜の海へ。
真夜中の波しぶきは光の届かない場所で一瞬だけ白く光っては打ち砕かれる。
この決して終わりのない運動は石彫を打つ時に瞬く火花のようだった。
だから海へ行くといつでも気が付いたらこころの尖った部分が弾き飛ばされた。
写真集の言葉を綴ろうとした夜もやはり海の側で眠った。
角を削るために。夜の海は沙漠と似ていた。

今日は映画を観た。
サーフィンの父と呼ばれたデューク・カハナモクを描いた映画「ザ ライド」だ。
舞台は1911年。彼は木製の50kgもあるロングボードに乗り海へと向かう。
それはハワイにまだホテルがたった一軒しか建っていなかった頃の話。
一昔前の出来事に、僕らの勇気はいつでも励まされている

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